前回に引き続き、またユニークな会社の話です。
「一億人の大質問!? 笑ってコラえて!」というTV番組の「イケてる会社訪問の旅」というコナーで紹介された、ミラーを専門に作っている埼玉県にある『
コミー(株)』という会社です。
社名のコミーは小宮山社長の昔からの呼ばれ方をそのまま社名にしたそうです。
近頃、銀行のATMの前面に防犯用のミラーが付いていますよね。
これを作っているのがこの会社だそうです。
これはただのミラーとは違って、視覚が広範にわたり、後ろから覗かれるのを防ぐそうです。
道路のカーブ等に付いている曲面鏡のガラス部分を細かくして平面化したものだということです。
この会社、元々ミラーを作っていた会社ではありませんでした。
ここの社長の経歴を見ると、とてもユニークで、サラリーマンが肌に合わず3年で辞めることに。
手に職をと、自動車修理工場で修行します。
ある時、自動車に文字をペイント書きする、自分より若い職人のほうが4倍も給料がいい事を知り、スグに看板屋を始めます。
色々な看板を作成している間、回転式の看板を思い浮かべ製作、販売。
しかし、看板が故障して回らなくなったというクレームがあり、調査すると酔っ払いが看板に抱きついたりして、モーターが壊れてしまう事を知り、看板を止めてもモーターが回るように工夫を施します。
これが現在ある回転式看板の原型だということ。
こうしているうちに、色々なものを回してみたくなったそうです(笑)
そして円形の時計を回したりしているうちに、ガラス面を2つに張り合わせたものを考案。
それを鏡面にしたものをインテリア商品として販売し始めました。
ある時、一度の30個ほど購入してくれた会社があったので、その会社へ訪れてみると、思わぬ使い方をされていたそうです。
それは万引き防止用としてもミラー。
これを見た社長はすぐさま、防犯用にと販路を変えたそうです。
今ではコンビニ等、いたるところで見かけますよね。
それから上記の平面ミラーを考案することに。
平面であるがゆえに、壁などに貼り付けやすく、車庫の出入口等に需要がありました。
ある時海外から一枚のFAXが・・・
それはボーイング社からでした。
客室乗務員がお客の安全確認をするために、採用したいとの事。
そして契約が行われたが、現場でどのように使われているかを見る為に社長自ら飛行機に乗って観察しに行きます。
飛行機の手荷物置き場は頭上あるため、忘れ物が発生するのでは考え、各航空会社に提案したところ、採用されたといいます。
客室乗務員は、それまで忘れ物チェックをステップに上がっておこなっていたが、それをしなくても良くなり、また時間の短縮が出来るとなかなかの評判です。
その後、新聞等で銀行ATMの暗証番号を後ろから覗き見される事態が報道されるやいやな、すぐさま銀行に提案し、今日に至っています。
ここの社長のすばらしいところはアイデアをスグに具現化することです。
そして社長が言われていたことは、現場に出向くということでした。
つまり、問題点やアイデアは、現場にあるということだと思います。
顧客視点という言葉がありますが、このコミーという会社はとても良い事例ではないかと感じます。
ちなみにホームページを拝見しましたが、色々な物語が掲載されていて、とても親近感がわき、共感の出来るモノとなっており、かなり参考になりました。
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コミー株式会社
http://www.komy.co.jp